現在、日本においてもADSLや光ファイバーを使ったFTTHの普及によって家庭やオフィスをインターネットにつなげるISPまでの回線がブロードバンド(広帯域=高速通信が可能な回線)へと高速化されはじめています。
しかし、回線の速度や品質の管理について互いに完全に独立した複数のネットワークどうしが相互に接続されているインターネットでは、自分の使っているコンピュータがつながっている直近のネットワーク環境をいくら改善しても、それだけでは期待どおりの結果が得られないことがありました。
通常、家庭やオフィスのコンピュータからインターネットを介してウェブページ上のコンテンツを利用する場合、アナログ電話回線、ISDN、ADSLあるいは専用線によるダイアルアップ接続や常時接続などインターネットへの接続サービスを提供しているインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)を経由して、その後いくつかの接続地点を通過した後に目的のコンテンツを公開しているウェブサーバに辿り着きます。そして、リクエストしたコンテンツのデータもまた同じような経路を辿ってお使いのコンピュータまで送信されてきます。
このため、コンテンツが公開されている目的のウェブサーバまでのネットワークがどのように接続されているかによって回線のトータルな速度が制約されてしまっているのです。複数のネットワークが複雑に連結しあうインターネットの雲の中を彷徨うことなく、いかに早くかつ確実にコンテンツに接続し、その情報を取得・提供するかということが、コンテンツを提供する側とコンテンツを消費する側の両方のユーザから問題になってきているのです。
これらの問題を解決するひとつの方法として考え出されたのがコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)とよばれるインターネットにおけるコンテンツ配信のための技術です。CDNではインターネットの各接続点にダイレクトに配置された複数のキャッシュサーバと呼ばれるコンピュータを使用します。各キャッシュサーバはコンテンツを公開しているウェブサーバの代理サーバとして機能します。CDNではインターネットの雲の中をめぐってオリジナルのウェブサーバからコンテンツが送信されるのではなく、代わりに、お使いのコンピュータが接続されたネットワークに最も近いキャッシュサーバから配信されてきます。CDNを利用することによって、従来のアクセス過程でボトルネックとなっていたISP間でのトラフィックを軽減し、高速で品質の高いデータ送信を可能にします。
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